さいコーな日々

珈琲を売る側から伝えるどうでもいい事とか珈琲のことですら無い日常のこと

枯れた生豆

取扱い品種も増えてきまして色々なところからぼちぼちと生豆を買っていて

生豆の状態も様々なんだなと実感しています。

 

豆の保管はあまり神経質にならなくてもいいと言われておりますが

いい加減すぎると意図せずに一年以内にテロワール飛んでしまいます。

水分が抜けすぎると生豆が枯れたような状態になってしまい

その豆の風味特性が飛び、干し草の様なテイストが出てきてしまいます。

f:id:saitohcoffee:20181122112455j:plain

また室内ですのでいらん色補正が入ってしまっていますが

左が枯れた生豆です。

見るからに色が薄く枯れ草カラーになってしまっています。

2018年クロップはそろそろ販売を始めるとの事でしたので

これが一番新しい豆でした。

右側にも似たような色が入ってますが

これは光が反射して色補正が入り似たような色になっているだけで

実際はほぼ全てトレイ上部のような濃い緑色をしています。

枯れた方は届いた時からこんな色です。

2種類取り寄せて一応テスト焙煎してみましたが

私の方向性に合わないのでラインナップに加えることはないです。

何かのテストかなんかで使う機会があればと真空パックして保存してあります。

 

豆の個性を楽しめるように豆を選ぶ前提としてですが

生豆を見て選べる機会があるとしたら

できれば右側の様な濃い緑色の豆を選ぶ事をおすすめします。

香りも嗅げるのであれば、香りが強いほうが良い状態です。

慣れないと青臭いですけど。

 

ただコーヒーの世界というのは懐が深い世界でありまして

老舗の焙煎店等はこの様な豆を敢えて使い

オールドやヴィンテージコーヒーとして

好んで飲まれる方も居るんですよ。

インドモンスーンとかもそうですね

乾燥した風を当てて、意図的にこの様な味を作っています。

私がメインに使ってる仕入先でもありますけど

カッピングプロファイルの中に

ハーバル(薬草や香草の意味)とちゃんと書かれています。

うまいこと表現するなあといつも感心します。

言われてみれば良く言えば角が取れて甘みがあるとの表現が出来ますが

香りが弱く干し草テロワールがついて回るのでどうも苦手ですねえ。

深く焼けば和らぐとは思うのですが好き嫌いが極端に分かれる味だと思います。

愛好家の方は干し草っぽい風味はどう捉えているのでしょうか?

お話してみたいなあと思います。

 

今回の豆は空気が当たりすぎる状態で保管した物と推測できます。

焼けば抜けたのですが保存場所の臭いを感じ取ることが出来ました。

販売元に豆の保存場所を〇〇みたいな場所で保存していませんかと訪ねた所

実際にその場所で保存していたとのことで

基本的に豆の元々の個性を楽しみたい私としては

些か残念な豆でしたが意図するにしてもしないにしても

こういう豆を好まれる方も居ますので

豆の個性を楽しみたいという方は色と香りが強い豆を選んで下さいと

そんなお話でありました。