さいコーな日々

珈琲を売る側から伝えるどうでもいい事とか珈琲のことですら無い日常のこと

美味しさのピークを伸ばして時間が経っても美味しい豆を作る

過去に何回かちょろっと伝えたことがあるのですが

とても良いコラムを見つけまして

そちらを引用、参照させていただくと共に私の考え方も交えて

今行っていうる焙煎の方向性について

再度きちんとご説明できればなと思います。

引用元

coffeestandfrank.com

 

引用元のCoffee LABO frank... 北島様から許可を頂き書かせていただいております。

快諾して頂き、厚く御礼申し上げます。

他にも読みやすくわかりやすいコラムが多数ありますので

みなさんも一度是非ご覧になってみて下さいね。

 

私が今行っているピークを伸ばす焙煎についてですが

なぜそういう焙煎をしているかと言いますと

実体験として200gの豆を飲み切る前にピークが過ぎていることが多く

最後の方はどうしても妥協感が出てきてしまっていました。

 

自分でも出来るだけ美味しいコーヒーを飲みたいですし、

お金を頂いて人に販売するなら尚の事最後まで美味しいまま

豆を消費して頂きたかったからです。

 

引用元で使った焙煎機はフジローヤルのレボリューション5kg(熱風式)。

火力と排気をデジタル設定出来る上に、ログも残りますので

この様なテストでは特に最高の選択肢と言えるでしょう。羨ましい・・・

 

引用元を一度読んでいただいた上でまた戻ってきて欲しいのですが

私はこの焙煎に+αができるように

テロワールをしっかり出しつつピークを伸ばせるように

いわゆる「始めチョロチョロ中パッパ」の基本通りにはせずに

「始めパッパ中チョロチョロ」気味な焙煎をしています。

私の焙煎は③と④のハイブリッド的な風味特性です。

出来る限り良いとこ取りの仕上がりにしようとするには

「初めパッパ中チョロチョロ」が行き着いた答えでした。

この焙煎の中で出来るだけテロワールの明瞭性を出せるように高火力を与え、

水分を飛ばし、豆を焦がさないようにして、長持ちする豆になるように

何度も試作を重ね、今のやり方に落ち着いています。

 

④と言うのは所謂短時間焙煎の部類に入るのだと思うのですが

③が100だとしたらピークが短い代わりに110を引き出そうと

そういう意図がある焙煎だと思います。

コンテストや品評会ですと飲み残って余った豆のスコアは関係ないですから

そういう場や特定の一杯の「美味しい」を印象付ける場合は有効なのですが

通販で数百gを買って毎日消費するようなケースにおいては

個人的には違う選択肢もあって良いのでは無いのかと思います。

 

後は手網やアウベルみたいな焙煎器で少量焙煎=短期間で飲み切るスタイルの方も

こういう短時間焙煎は有効だと思います。

 

所謂短時間焙煎で一番美味しい時を

冷凍すれば良いという考え方の方もいらっしゃるようですが

経験上このピークの時に冷凍すると全体的なバランスは維持できるのですが

テロワールの明瞭性は少し落ちてしまうので

冷凍により最後の一杯までピークを持続させることは

出来ないと感じています。

110のピークを封じ込めると言う部分では他のどの方法を用いても

難しいと思っていますのでピークを100に近いまま

できるだけ長く飲めるようにしようとしているのが私の方向性です

 (焙煎豆の水分値は低いので実際に豆全体が凍ることは無いのですが

便宜上冷凍、解凍と表現させていただいています)。

 

冷凍は最善の保存方法の一つで冷凍を否定するつもりは全く無いのですが

短時間焙煎を冷凍したまま陳列、販売しているお店は見たことがないです。

利益的にも大きな釜で焙煎して一気に冷凍したほうが手間も少なく

結果として安く、美味しい豆を提供できるはずですが

そういう売り方がスタンダードになるはずですがなっていません。

それが多くの業界の方がたどり着いた答えなのかなとも思います。

 

短時間焙煎も散々やってきていますので

短時間で焼いてくれと言うのならもちろん対応できますが

経験上毎回110の焙煎が出来るわけでもない(ブレが出やすい)のと

スペシャルティだからといってテロワールが強いことが万人に

美味しいと感じる最善のバランスで仕上がるかと言うのはまた別問題だと思います。

 

長くなりましたのでそろそろ一度切り上げますが

今回の件もあくまで個人的主観ですので

色んな考えややり方があるんだなと捉えて頂ければと思います。