さいコーな日々

珈琲を売る側から伝えるどうでもいい事とか珈琲のことですら無い日常のこと

豆の水抜きをするということ

難しそうに聞こえると思いますし、これが出来ていない豆が世の中非常に多い。

そらただ熱を加えていくだけじゃあんな硬い豆の中の水分は抜けないと思います。

 

世の中の量産焙煎屋さんは大体9分から11分程度で1ハゼを迎えることが多いようです。

私思うんですけどこんな短い時間じゃ水抜きと言われる工程は

どのような熱の加え方をしても完了しないんじゃないのかなと思います。

 

私にとって水抜きと言われる工程は豆の水分をしっかり飛ばして

なおかつ焙煎時の化学反応をしっかり促進させるまでが1セットです。

つまり焙煎後の水分量だけじゃないと思うんですよね。

 

水分計で焙煎後の水分量を調べるお店もありますが

こういう事をしているお店でも実際には舌に渋みやえぐ味が残ったりするのは体験済みです。

残った水分がこういう事の原因になっているかはいまいち確証はないのですが

感覚的にはこの残った水分が私の目指すスタイルの焙煎の邪魔になる一因になると思っています。

 

現在でも焙煎中に豆がどのように変化していると言うのは

完全に解明されていないらしく、科学的根拠のない主観バリバリで書いてますので

またキチが適当なこと何か言ってるよ位に読んで頂ければ幸いです。

ただ単にスタイルとか考え方の違いです。

 

私も一時期10分前後で1ハゼを迎える焙煎をしてた時があったのですが

焙煎のブレも大きく、今考えれば毎回ではないのですが余韻にも少し難がありました。

 

これ言うと多くの焙煎士さんを敵に回してしまいますが

テストスプーン等で豆を確認する行為自体が、自分の焙煎に自信がない証拠です。

途中の豆の状態を見て温度や排気を変える時点でもう既にブレています。

香りは途中で変化してきますが、その香りで仕上がりを判断するのは不可能です。

焙煎がしっかり出来ているのなら、仕上げの時だけで良いはずです。

こういう事をやっている中で素晴らしい焙煎が出来る事があるのは事実ですが

その究極の一点を継続して出来る人は世の中に一人も居ないと思います。

コンピューターで制御して全く同じ焙煎をしても同じ味にはならないはずです。

不可能なんです、焙煎途中にはその一点に辿り着くかは判断できないのです。

この一番美味しかった時が印象に残りやすいので

「美味しい」を印象付けるにはこういう焙煎が良いのでしょうね。

 

私は勝手にそう思っていますので

私の焙煎には水を抜いて、焙煎の科学反応をしっかり促進させる箇所があります。

これが私にとっての水抜きであり、焙煎の仕上がりを決定付ける一番大事にしている部分です。

この時だけはこまめに屈んで火を見たり温度計を見たりスクワット状態です。

 

1ハゼ前に私の焙煎はほぼ終わっています。

上記の一番大事にしている部分を1ハゼ前に行うからです。

途中で火力をいじる箇所もありますがこれは豆を焦がさないようにしたり

火を止める見極めがピーキーにならないようにするためで

テロワール自体を変化させる為ではありません。

 

ですから直火でも浅煎りが出来ますし

酸味があったとしても刺々しい酸味ではなく

良い個性の1つとして現れるテロワールです。

 

しかもこれは浅煎りでも深煎りでもほぼパターン化できるので

焙煎のメモは取っていますが内容はほぼ同じです。

豆によって微調整はしますけどね。

難しいのは煎り止めの瞬間ですがそこまでに辿り着く工程自体を難しいとは余り感じていません。

 

味覚で判断できる方は飲んでいただくとなんとなくでも理解して頂けてると思います。

あと、工場での超高温熱風の超短時間焙煎の話は含まれていません。

あくまでも通常の業務用焙煎機とのお話です。