さいコーな日々

珈琲を売る側から伝えるどうでもいい事とか珈琲のことですら無い日常のこと

そのブルーマウンテン、本物ですか?

はいどうもです。

なんだかんだ記事を更新すると

読んでいただける方が居るようで

有り難い限りでございます。

 

書きたいことは沢山有るのですが

前からちょっと書きたかった

ブルーマウンテン、以下ブルマンについてちょっと書きたいと思います。

 

スペシャルティが当たり前の今では

特にコスパ面であーだこーだ言われがちです。

近年の高騰相場に引っ張られてか

若干控えめな部類ですが

ブルマンも2割か3割位は値段が上がってます。

商社さんからのお知らせによれば

23年クロップは15%位また上がるとのことです。

 

昔はハワイコナとブルマンと言えば

高級コーヒーの代名詞だったわけです。

 

実際ブルーマウンテンってどんな豆なんじゃいと

そういう話なのですが

ブルーマウンテンは品種ではなく

ジャマイカのブルーマウンテン地区(山脈)の

標高800~1200mで採れるコーヒー豆の総称です。

800mより少し低い地区の豆は

ブルーマウンテンの名称を使えないので

ハイマウンテンとか付いてますね。

2000mクラスのお豆を焼く私としては

1200mでもわりと低めな標高です。

 

品種としては今でもティピカがメインなのですが

近年の人気低迷により?

ゲイシャのブルマンがあったりもします。

 

2013年とか14年辺りですかね

さび病と言われる

コーヒーノキが枯れてしまう病気が蔓延したのと

その前の年のハリケーンの影響で

倒木や海水の巻き上げによる

ダブルパンチの大きな被害で

全滅に近い状況になりました。

さび病は日本でも普通に発生しています。

ポツポツと部分的に葉が枯れてるようになってしまう

アレです。

 

多くを幼木から植え直してる間に

スペシャルティが当たり前の状況になった日本は

個性的かつ高品質なお豆を

ブルマンより手の届きやすい価格で入手できるようになり

ブルマン離れと言える状況になりました。

そもそも美味しくないとの意見もありますが

恐らくそういう方は個性的なコーヒーがお好きだったり

以前の物より焙煎の幅がかなり狭いので

焙煎設計が良くなかったり

豆に合った抽出が出来てない

コーヒーを飲んだだけのような気もします。

突出した風味は無くても

バランスの良さは未だに王者と言えると思います。

 

ほとんどのお豆を日本向けに輸出していた

一帯の農園は苦しい状況に立たされ

ピッカーを雇うことも出来ない所もあるようです。

ピッカーを雇えなければ収穫も進まず

折角育てた実を腐らせてしまうケースもあるようです。

 

そんなブルマンですがNO.1からNO.4までの規格が存在しており

通常NO.4は流通しないので実質的にはNO.3までなのですが

NO.1の中でも農園名が付いた銘柄、

農園名が付いてても価格も品質も通常な銘柄、

さっき書いたゲイシャ種でのブルマンもあり

NO.1の中でも更に特別なブルマンというのも存在します。

 

それでまあブルマンについて

騙されない為の予備知識というか

ちゃんと覚えておいた方が良いですよーと

そういう部分を書くので

是非購入の際の参考になさって下さい。

 

まずNO.1と書かないでブルーマウンテンとだけ書かれてる豆は

ほぼNO.1では無いと思って下さい

NO.2の時点で仕入れ価格は確か安いNO.1の半値程度です。

今や通常流通してるスペシャルティグレードと比べても

標準的な価格帯と言って良い水準。

NO.2以上に高い銘柄は私が取り扱ってる中にも沢山あります。

 

ブレンドでしたら

30%以上ブルマンを配合しないと

ブルーマウンテンブレンドと表示出来ません。

NO.2やNO.3でも30%以上配合していれば

ブルーマウンテンブレンドです。

他の国の豆なら30%以下でも冠していいよとか

ちょっとややこしいルールもあります。

とりあえずブルマンは30%です。

 

原産国の欄は割合が多い国名から記載するので

パプアニューギニア、ジャマイカ等の順番の記載があれば

ブルーマウンテンブレンドだけど

ジャマイカ、つまりブルマン以外のお豆の方が多い事になります。

ブルマンが飲みたい、

つまり通常はNO.1のカップをイメージしてるのに

NO.2やNO.3が30%や30%を少し超える量だけ入ってて

後は他のお豆が入ってるが故に

ブルマンのお味は何処に行ったのかしらと

迷子を探すように飲む

割高なだけのブレンドが沢山あります。

 

ブルーマウンテンブレンド

NO.1表記が無く

原産国欄の先頭にジャマイカ以外の国名が記載されていたら

みなさんが思ってるブルーマウンテンとは

知らない人からすれば騙されたと感じるレベルの

ブレンドかもしれません。

ただ、これはルール内の商品です。

定められたルールの中で

「ブルーマウンテン」との表示が許されたお豆です。

これを本物か否かは各自の判断になってしまう訳です。

何の知識も無い頃の私でしたら

NO.1グレードで、ブレンドって言っても

しっかりブルマンの風味が残る程度は入ってるんだろうなと

思っていた事でしょう。

 

価格がブルマン単一よりかは安くなるはずなので

そりゃ同じ味になるわけがないのですが

私個人としてはあくまでブルマンの輪郭を保ってたり

ブルマンの素晴らしいニュアンスを生かした

ブレンドであって欲しいのです。

そういう工夫と努力の末に生まれたブレンドもあれば

そうでもないブレンドも混ざってます。

 

因みにブルーマウンテンの苗木を育てたと言う

パプアニューギニアの一部のお豆ですが

栽培環境や精製方法、保管や流通状況に到るまで

ブルーマウンテン地区で行われている事と異なりますので

話半分と思っておきましょう。

 

品種にブルーマウンテンとか書いてる

お宅ちょっといい加減にしなさいよと疑ってしまうレベルの

焙煎豆屋さんもまだ存在します。

こういう所ではモラルや知識、

コンプライアンスの著しい欠如が見て取れるので

こういうお店でお豆を買うのは言わずもがなです。

 

また、NO.1と書いてあっても

相場より著しく安い場合や

よく見るときちんと食品表示されてない

どこかしらで矛盾や勘違いさせそうな表示があるケースや

コンプライアンスが守れてなさそうな

質より量な感じの個人焙煎豆屋にポロッとある

ブルマンやハワイコナは

値段に飛びつくのではなく

一度この記事を走馬灯のように思い出してみてください。

ブルーマウンテンNO.1ではなく

NO.1ブルーマウンテンとか

NO.1品質のブルーマウンテン、

商品ページのどっかに何となく

ナンバーワンとかカタカナで書いてあるとか

ルールを知った上で

抜け道だと思ってやってるんでしょうが

不当表示、優良誤認で当然アウトです。

こういうの大手もやってるんですよ。

しかもナンバーワンって書くのは

お客様の感想の所とか・・・

お客様の感想らしいので

これはギリセーフなのかもしれませんが

明らかに確信的です。

なので店によってはもしかしたらブルマンですらない

なんか似てるような似てないような

お豆を高く買ってるかもしれません。

 

英国王室御用達?だかなんだかも

高いから王室の人も飲んでるだろうと

適当に書いてあるだけです。

 

私はブルマン大好きなんです。

ブルマンの一番良い所って精製の丁寧さで

決して普通の豆をただ高く売ってるだけじゃないんですよ。

この精製レベルのお豆を他の国から買おうとすると

ブルマンより高い印象です。

欠点豆の許容される割合も決まってる上に

きちんと守られていますので

焙煎後のお豆を見られる機会があって

お豆に割れや欠けが多かったら

違う豆を疑いましょう。

焙煎中や焙煎後に割れたり欠けたりすることは

余程酷い扱いをしない限りほとんど無いです。

 

こんな感じでちょろっとブルマンについて

書かせていただきました。

まだ思うことはあるのですが

敵を作ったり炎上で注目を浴びたい訳でもないので

ちょっとお口チャックしておこう的な事もありますので

とりあえずはこの辺で。

 

もう1つ、声を大にして言いたいことですが

生豆の商社さんはきちんとしたお豆を販売しています。

これは間違いないです。

 

焙煎豆にしても、きちんと信頼できるお店から

購入するようにしてくださいね。

 

ではまた。